シロフクロウとケベック州
北極圏に深い雪が降り積もり餌の捕獲が難しくなって来る冬の始まりに、通常、北極圏に位置するカナダはケベック州北部に生息するシロフクロウが、餌を求めて人里の方まで南下して来ます。彼らは、南を目指し、モントリオールに近いセントローレンス川付近に飛来します。そして、最も寒い雪深い冬の間、セントローレンス川沿いに拓かれた広大な農耕地で過ごすのです。その年々によりますが、その数は、少ない時で10羽、多い時では100羽近く観察されています。これは、この地域が北極圏に比べると冬場でもシロフクロウの餌となるネズミやリス、小鳥が十分に生息することを意味しています。というのも、これらの農耕地は、トウモロコシを収穫するためのものですが、収穫後のトウモロコシ畑には、トウモロコシの破片がたくさん落ちており、小動物達の冬の餌場となっています。たくさんの小動物がいればいるほど、その周辺ではたくさんの数のシロフクロウが目撃されることになります。